他人が自分と入れ替わっているスリラー「アンノウン」

あらすじ:学会のためベルリンに来た博士。空港に手提げカバンを忘れて来たことにホテルで気づいてタクシーで引き返すが、その途中で交通事故に巻き込まれ車ごと川に転落し、心肺停止に陥る。
数日間の昏睡状態から目覚め、滞在先であり学会会場のホテルに戻ってみると妻も友人も自分のことを知らない人扱いする。さらに妻は全く知らない男を呼び寄せ、その男は自分こそが博士だと言うのだった。
事故で携帯電話は水没、パスポートや免許証は空港で無くした鞄の中。タクシーの運転手は水から引き上げてくれたものの、救急隊が手当てしている間に立ち去ってしまっていた。自分を証明できるものが何一つない中で、博士は次第に自分の命すら狙われていることに気づく。登場人物:
・マーティン・ハリス (リーアム・ニーソン) - アメリカ人植物学者。学会で発表をするためベルリンへ。
・リズ - 彼の妻。ホテルまでの道のりでは夫婦仲は良好なようだったが...。
・もう一人の博士(クレジットでは「Martin B」) - 自信たっぷりの堂々とした振る舞いで、周りはむしろ主人公の方を疑う。
・ジーナ - 交通事故にあった時のタクシー運転手。実は不法移民のため厄介事には関わりたくない。

その他、各種ドイツ人っぽいメガネ。

・ホテル警備のチーフ。いかにも高級ホテルの従業員らしく丁寧。メガネ紳士。
・元シュタージ(旧東ドイツの秘密警察)で現探偵の爺さん。老メガネ紳士。
・主人公を追いかける殺し屋?目つき鋭いメガネM字ハゲ。(ドイツ人設定じゃないかもしれない)

「自分以外の人間が自分と振舞っている」「誰も自分のことを正しく認識してくれない」「そもそも自分って誰だ?」と混乱していくサスペンス。

ところでこの映画、とにかく人がポンとしぬ。アクション映画では、でっかい爆発で巻き添えとか運悪く通りがかった目撃者を口封じにとか、居合わせたモブが殺されることが多いと思うけれど、ここではむしろ名前がついている役ほど危ない。
一番初めの殺人は殺し屋によるものだけれどあまりにもあっさりで、この殺し屋はヤバイ奴だと博士も観客も気づく。それはいいのだけれど、終盤に差し掛かった頃から「おまえもか!」と叫びたくなるような軽さで死んでいく。

そして中盤でいきなりド派手なカーチェイスが入る。こういうシーンを見るたびに「一般人がいきなりドリフト決めたり公園を突っ切ってショートカットしたりできるものなのか...」と思ってしまうけれど、もうそれは「アメリカ人だしできるよな」と思うようにしている。

とはいえ大きなツッコミどころはそれくらい。

序盤では博士は「なぜ皆して私のことを他人扱いする?」「あの男は誰だ!」と焦ったり怒ったりしていたが、医師から記憶障害についての説明を受けたり探偵の推理を聞くことで「もしかして私は、自分のことを博士だと思い込んでしまった他人なんじゃないか?」と思うようになっていくのはぞっとする。

勢いとしては中盤から後半に向かって畳み掛けるように盛り上がっていくけれど、決してそれまでが退屈なわけではなく緩急のあるよいつくり。サスペンスではあるけれど小難しい伏線や推理はないので安心してハラハラドキドキできました。

ちなみに同じく「他人に入れ替わられる」というあらすじでとにかくアクションに振り切ると「フェイス・オフ」になる。


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